
概要
獣医療の専門書を出版されている株式会社EDUWARD Press様の書籍「よくみる症例シリーズ」にて、装丁デザイン(表紙・背表紙・裏表紙・総扉)を担当しました。
表紙に使用されているシルエットイラストも含め、すべて当方による作画です。
本書は、「疾患を早期発見するために、品種とライフステージ別に鑑別疾患を徹底解説する」というコンセプトで制作された、若手獣医師向けの専門書です。
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制作の背景と狙い
本書はシリーズ企画として構成されており、以下のようなご要望を受けてデザインを進行しました。
- シリーズものとしての統一感を保ちつつ、各巻ごとにテーマに沿ったデザインで差別化されること
- 若手読者層(30代前後)を意識した、シンプルかつ信頼感のあるトーン
- 学術書らしい堅実さを保ちつつも、印象が軽くなりすぎない構成
- 総扉は、表紙の色違いバージョンとしての統一設計
これらの条件を踏まえ、初稿から最終稿まで約半年をかけて丁寧にブラッシュアップを重ね、クライアント様と密に連携しながら仕上げました。
デザイン上の工夫

シンプルで堅実な印象の中にも、視覚的な変化や抑揚が生まれるような構成を心がけました。
主題となるタイトルは縦書きで配置し、その他の情報は横書きで展開。
異なる視線の動きとすることで、自然に主題へ意識を向けていただけるよう意図したデザインです。
また、シリーズ全体のトーンに配慮しつつも、各巻ごとのテーマ性を色彩やシルエットイラストで表現するよう設計しています。

クライアント様のご感想
クライアント様からは以下のようなご感想をいただきました。
本書は30代前後の若手の読者ターゲットにしておりますが、獣医師向けの学術書であるというところから、全体的にはシンプルながらも表紙から裏表紙にかけて動きがあるところが遊びとなって、バランスの取れたデザインと社内で好評でした。
また、シリーズものとして企画されているという観点からは、すっきりとしていて汎用性が高く、監修者名が多数入るが主張しすぎない感じでうまく収まっているところも良いという意見がでました。
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全体を通して大変気持ちよく、安心してお願いすることができました。
こちらのイメージを希望通りにデザインに反映していただけるのはもちろん、オリジナルのイラストも作成可能ということで、クオリティやセンスの面でほぼお任せでお願いすることができました。
今後の制作の励みになります、ありがとうございます。
専門性の高い書籍や実用書、教育関連の出版物においては、「内容の信頼性」と「読者層への親和性」の両立が欠かせません。
本件のように、シリーズものを見据えたデザイン設計や、内容理解を助けるビジュアルの提供が求められる案件においても、当方ではイラストとデザインの両面から一貫したご提案が可能です。
「専門性の高いテーマでも、堅すぎず、わかりやすく伝えたい」――
そんなご希望をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。